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成分(一般名) エピナスチン塩酸塩(点眼)
製品例 アレジオン点眼液0.05%、アレジオンLX点眼液0.1% ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 眼科用剤/抗アレルギー剤/抗アレルギー点眼剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 アレルギーを抑える目薬です。アレルギー性結膜炎の治療に用います。
作用

【働き】

抗アレルギー薬が配合される目薬です。アレルギー症状を引き起こすヒスタミンなどの体内物質の働きをおさえる作用があります。そして、目のかゆみ、結膜充血、涙目、目やに などアレルギー性結膜炎にともなう諸症状を改善します。花粉症にもよく使われます。

【薬理】

主作用は「抗ヒスタミン作用」になります。アレルギー反応により放出されたヒスタミンの働きをじゃまし、ヒスタミンが引き起こすさまざまなアレルギー症状をおさえる作用です。作用機序は、ヒスタミンが結合するヒスタミンH1受容体を遮断することによります。この作用は比較的速攻性です。

もう一つの作用は「ケミカル メディエーター遊離抑制作用」です。肥満細胞を安定化させ、肥満細胞からのヒスタミンやロイコトリエンなどケミカルメディエーター(化学伝達物質)の遊離・放出をおさえる作用です。こちらはアレルギーの初期段階で作用するので、発症前の予防的な効果が期待できます。

【臨床試験-1】

この薬の効果をプラセボ(にせ薬)と比較する試験が行われています。参加したのはスギ花粉にアレルギーのある無症状期の患者さん87人です。試験のやりかたは、この薬またはプラセボ(にせ薬)を点眼したあと、スギ花粉抗原溶液を点眼しアレルギーを誘発させ、そのときのカユミと結膜充血の程度を調べる方法です。カユミは0〜4点の5段階で、結膜充血は眼球と眼瞼それぞれ0〜3点の4段階で評価しその合計点で比較します。

その結果、この薬を点眼していた場合のカユミの平均点数は0.4点、プラセボで1.7点でした。結膜充血については、この薬で2.7点、プラセボでは4.1点でした。この薬を点眼していたほうが、カユミ、結膜充血ともに軽い症状で済むことが確かめられたわけです。また、副次的な試験としておこなわれた既存のオロパタジ点眼液(パタノール)との比較でも、同等の予防効果が示されています。オロパタジ点眼液は、実際の生活環境のもとおこなわれた臨床試験で有効性が確認されている数少ない点眼薬です。

【臨床試験-2】

実生活のもとでカユミに対する有効性を検証する臨床試験が行われています。上記-1よりも実際に則した試験です。参加したのは、カユミと結膜充血の症状がある季節性アレルギー性結膜炎の患者さん248人。このうち125人はこの薬(0.05%)を、別の123人はプラセボを点眼し、カユミの程度を比較します。どちらなのか患者さんには内緒です。試験期間は15日間、このあいだ 患者さん自身で症状を評価し患者日誌にその点数を記録します。

その結果、この薬を点眼していた人達のカユミの平均点数は2.0点(2.5→2.0)、プラセボの人達で2.1点(2.6→2.1)でした。残念ながら、この薬とプラセボに差がなく、この薬のカユミに対する有効性を証明することはできませんでした。なお、生活環境下における抗アレルギー点眼薬のプラセボに対する優越性の検証は、さまざまな要因から困難を伴なうとも言われています。
特徴
  • 広く抗アレルギー薬に分類される「ヒスタミンH1拮抗薬(第2世代抗ヒスタミン薬)」です。抗ヒスタミン作用のほか、メディエーター遊離抑制作用もあります。抗ヒスタミン作用による即効性と、メディエーター遊離抑制作用による予防効果が期待できます。
  • ステロイド薬ほど強力ではありませんが、副作用の心配はほとんどなく、長期の使用も安心です。このため、比較的軽い症状に向きます。重い結膜炎には、ステロイド点眼薬と併用し、症状がよくなったらステロイドを中止し、この点眼薬単独で様子を見るといった使い方もおこなわれます。
  • 従来品の点眼液0.05%にくわえ、高用量製剤のLX点眼液0.1%が発売されました。薬剤の眼組織への移行量を高め、持続性を持たせた製剤です。1日2回点眼で従来品(1日4回)と同程度の有効性が得られます。
注意

【診察で】

点眼薬の使用でアレルギーを起こしたことのある人は医師に伝えておきましょう。

【使用にあたり】
  • 指示通りに点眼してください。点眼液0.05%は、通常、1回1滴を1日4回、朝、昼、夕、それと寝る前に点眼します。高用量製剤のLX点眼液0.1%は、1日2回、朝、夕に点眼してください。
  • 1滴点眼したあと、ゆっくりと目を閉じ、まばたきをしないで しばらく目を閉じていてください。
  • 特別な指示がなければ1滴で十分です。うまく命中しなかったときだけ、もう1滴さすようにすればよいでしょう。
  • 点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意しましょう(薬液汚染防止のため)
  • 点眼液が目の回りに付いたり、目からあふれ出たときは、すぐ拭き取るようにしてください(かぶれることがあります)。
  • 他の点眼薬と併用しているときは、点眼間隔を5分以上あけてください。
  • ソフトコンタクトレンズをしている場合は、レンズをはずして点眼し、5分以上経過してからつけてください。防腐剤のベンザルコニウムによるレンズの変色を防ぐためです。

【食生活】

人により原因は異なりますが、目のアレルギーは花粉やほこり、ダニやカビなどで生じます。原因がはっきりしたら、その原因物質(抗原)をできるだけ避け、また取り除くようにします。

【備考】

抗アレルギー薬は、初期治療として早期の使用がポイント。ひどくなってからだと、よく効きません。毎年、花粉症で悩まされる人は、早めに受診するとよいでしよう。
効能 アレルギー性結膜炎
用法

【点眼液0.05%】

通常、1回1滴、1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。

【LX点眼液0.1%】

通常、1回1滴、1日2回(朝、夕)点眼する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 副作用はほとんどありません。点眼時の軽い刺激感は心配ないでしょう。点眼後、かえって充血やカユミがひどくなるようでしたら、早めに受診してください。

  • しみる、刺激感、異物感
  • 目のまわりの発赤・かゆみ、眼瞼炎

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。