概説 |
アレルギーをおさえる目薬です。春季カタルに用います。 |
作用 | 春季カタルは、毎年春になると悪化する重いアレルギー性の目の病気です。激しいかゆみや充血を起こすほか、乳頭増殖といって まぶたの裏側に石垣のような隆起(乳頭)がブツブツできるのも典型的な症状です。特にその大きさが1mm以上のものを“巨大乳頭”といいます。
この目薬は、免疫抑制薬を有効成分とする春季カタル治療薬です。アレルギーなど免疫反応にかかわるホルモン様物質(サイトカイン)の産生を抑制する作用があります。目のかゆみ、充血、涙目などの症状を軽減するとともに、乳頭増殖を抑える効果が期待できます。 |
特徴 | 免疫抑制薬のタクロリムスを点眼薬として開発した製剤です。巨大乳頭が認められ、従来の抗アレルギー薬では効果不十分な重い春季カタルに適応します。一般的な花粉症を含め、中等度までのアレルギー性結膜炎には用いません。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 妊娠中、もしくはその可能性のある人は、医師に伝えてださい。

- 【注意する人】

- 目に感染症があるときには用いません。感染症を悪化させるおそれがあるためです。また、緑内障のある人は、定期的に眼圧検査をおこなうなど慎重に用いる必要があります。
 【使用にあたり】
- 点眼方法や点眼回数は、説明書に従ってください。ふつう、1日2回点眼します。懸濁液ですので、よく振り混ぜてから点眼しましょう。
- できるだけ仰向けの状態で点眼するようにします。1滴点眼したあと、ゆっくりと目を閉じ、まばたきをしないで1〜5分間そのまま閉じていてください。このとき、目頭を指で押さえておくとよいでしょう。そうすれば、鼻や口に薬液が回らず苦い思いをしなくて済みますし、全身性の副作用の予防になります。
- 特別な指示がなければ1滴で十分です。うまく命中しなかったときだけ、もう1滴さすようにすればよいでしょう。
- 点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意しましょう。
- 他の目薬と併用しているときは、少なくとも5分以上間隔をあけ点眼してください。
- 点眼液が目の回りに付いたり、目からあふれ出たときは、すぐ拭き取るようにしてください(皮膚がかぶれることがあります)。
- コンタクトレンズを装着している場合は、点眼前にいったんレンズをはずし、十分な間隔をあけてから再度装着してください。
 【妊娠授乳】
- 妊娠中は、治療上の有益性が、妊娠に対する危険性を上回ると判断される場合にのみ使用します。
- 母乳中へ移行する可能性があります。授乳中に用いる場合は、授乳を避けてください。

- 【備考】

- 春季カタルはアレルギー性結膜炎の一種であり、その原因として杉花粉などが考えられます。治療には、各種の抗アレルギー薬やステロイド点眼薬が使われ、特に重い症状に限りタリムス点眼液(この薬)が新たな選択肢として加わります。ステロイド点眼薬と同様、長期投与は慎重におこなう必要があります。
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効能 |
春季カタル(抗アレルギー剤が効果不十分な場合)
- 眼瞼結膜巨大乳頭の増殖が認められ、抗アレルギー剤により十分な効果が得られないと判断した場合に使用すること
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用法 |
用時よく振り混ぜたのち、通常、1回1滴を1日2回点眼する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
目の異常感が半分くらいの人に現れます。熱感や異物感、違和感といった症状です。多くは一過性で、徐々に慣れてくることが多いようですが、つらいときは継続の可否を含め医師とよく相談してください。
とくに治療が長期にわたるときは、目の感染症の発現に十分な注意が必要です。重篤なヘルペス性角膜炎や細菌性角膜炎を起こすおそれもあります。普段とは違う激しい痛み、目がかすんで見えにくい状態が続く場合などは、すぐに受診しましょう。
- 目の熱感、異物感、違和感、かゆみ、刺激、涙が出る
- 目の感染症(ヘルペス性角膜炎、細菌性結膜炎、眼瞼ヘルペス、麦粒腫など)
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