PR 人気の薬系書籍ベスト30 「くすり本NAVI 」 おくすり 110番

成分(一般名) ドルゾラミド塩酸塩
製品例 トルソプト点眼液0.5%~1% ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 眼科用剤/炭酸脱水酵素阻害剤/点眼用炭酸脱水酵素阻害剤

スポンサード リンク 投げ銭コ-ナ-
概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 眼圧を下げる目薬です。緑内障、高眼圧症の治療に用います。
作用

【働き】

目の中では、房水と呼ばれる水分が循環しています。その役目は、目に栄養分を供給し、また眼圧を一定に保つことです。ところが、房水が充満しすぎると、眼圧が上がり視神経を圧迫してきます(高眼圧症)。そのままでいると視神経が弱り、視野が狭くなったり視力が落ちたりします。このような状態が高眼圧をともなう典型的な緑内障です。

緑内障はその成因から大きく2つのタイプに分かれます。「閉塞隅角緑内障」と「開放隅角緑内障」です。閉塞隅角緑内障は、房水の排水路である隅角が虹彩でふさがれてしまうタイプです。その多くは慢性型ですが、ときに眼圧が急上昇し激しい眼痛や頭痛、充血や視覚異常などをともなう緑内障発作を起こします。一方、開放隅角緑内障は、隅角とは関係なく、房水の排水口が目詰まりするタイプです。慢性に推移し、自覚症状が乏しく、視野異常にも気づきにくいので、自覚したときには相当に進行していることが多いです。

なお、最近の調査で、緑内障の約6割が「正常眼圧緑内障」であることが分かりました。眼圧は正常範囲なのに緑内障になってしまうのです。視神経が耐えられる眼圧には個人差があり人それぞれで大きく異なります。視神経がもともと弱いなど、必ずしも高い眼圧だけが緑内障の要因ともいえないのです。治療は、開放隅角緑内障に準じ、眼圧をさらに低めにコントロールするようにします。

この目薬は、房水の産生をおさえることで 眼圧を下げます。おもに開放隅角緑内障または正常眼圧緑内障に対し、他の点眼薬といっしょに使います。緑内障の治療目標は、眼圧を低くコントロールして 視神経を守り、視力や視野を長期にわたり維持することです。原因療法薬ではないので一般的に治療期間は長くなりますが、継続的に眼圧をコントロールするために根気よく点眼を続けなければなりません。

【薬理】

目の毛様体に存在する炭酸脱水酵素Uを特異的に阻害し、炭酸水素イオンの形成を遅延させ、ナトリウムの液輸送を低下させて房水産生を抑制します。
特徴
  • 炭酸脱水酵素阻害薬(CAI)に分類される緑内障治療薬です。同じ仲間の飲み薬が昔から使われていますが、いろいろな副作用がでやすく飲み続けることが難しい場合があります。そこで、全身的な副作用の心配がなく長期維持療法に適する外用点眼剤としてこの薬が開発されました。
  • 治療効果では標準薬のβ遮断薬やプロスタグランジン関連薬と比べやや劣ります。このため、標準薬が副作用で使えないときに第二選択されたり、眼圧下降効果を高めるために他の点眼薬と併用することが多いです。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 点眼薬の使用でアレルギーを起こしたことのある人は医師に伝えておきましょう。

【注意する人】

重い腎臓病のある人は使用できないことがあります。

【使用にあたり】
  • 点眼方法や点眼回数は、説明書に従ってください。通常、1日に3回点眼します。以下に一般的な点眼方法を示しますが、医師の指示を優先し決められた方法で点眼してください。
  • できるだけ仰向けの状態で点眼するようにします。1滴点眼したあと、ゆっくりと目を閉じ、まばたきをしないで1〜5分間そのまま閉じていてください。このとき、目頭を指で押さえておくと鼻や口に薬液が回らず苦い思いをしなくて済みますし、全身性の副作用の予防になります。
  • 特別な指示がなければ1滴で十分です。うまく命中しなかったときだけ、もう1滴さすようにすればよいでしょう。
  • 点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意しましょう(薬液汚染防止のため)
  • 点眼液が目の回りに付いたり目からあふれ出たときは、すぐ拭き取るようにしてください(かぶれることがあります)。
  • 他の点眼薬と併用しているときは、少なくとも5分間以上の間隔をあけて点眼してください。

【備考】

閉塞隅角緑内障では、房水を排出させるための手術が第一選択となり、薬物療法は補助的におこなわれます。一方、開放隅角緑内障では、点眼薬による薬物治療が中心になります。その第一歩として処方されるのがプロスタグランジン(PG)関連薬またはβ遮断薬です。炭酸脱水酵素阻害薬(CAI)はその次の処方候補といえるでしょう。単薬で効果不十分な場合は、これらによる併用療法が試みられます。
効能 次の疾患で、他の緑内障治療薬で効果不十分な場合の併用療法
  • 緑内障、高眼圧症
用法 通常、0.5%製剤を1回1滴、1日3回点眼する。なお、十分な効果が得られない場合は、1%製剤を用いて1回1滴、1日3回点眼する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 いちばん多いのは点眼時の刺激症状です。目がしみたり、痛みを感じることがあります。一時的でしたら心配いりませんが、強い痛みが長く続くときは早めに受診してください。飲み薬にみられる全身性の副作用はまずありません。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。

【その他】
  • 一時的な刺激症状(しみる、痛み、涙目)、かすみ、かゆみ
  • 充血、まぶたの腫れ、角膜炎
  • 頭痛、吐き気

概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
スポンサード リンク 投げ銭してネ !
おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。