概説 |
アレルギーをおさえる目薬です。アレルギー性結膜炎の治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- 抗アレルギー薬が配合される目薬です。アレルギー症状を引き起こすヒスタミンなどの体内物質の働きをおさえる作用があります。そして、目のかゆみ、結膜充血、涙目、目やに などアレルギー性結膜炎にともなう諸症状を改善します。花粉症にもよく使われます。

- 【薬理】

- 主作用は「抗ヒスタミン作用」になります。アレルギー反応により放出されたヒスタミンの働きをじゃまし、ヒスタミンが引き起こすさまざまなアレルギー症状をおさえる作用です。作用機序は、ヒスタミンが結合するヒスタミンH1受容体を遮断することによります。この作用は比較的速攻性です。
もう一つの作用は「ケミカル メディエーター遊離抑制作用」です。肥満細胞を安定化させ、肥満細胞からのヒスタミンやロイコトリエンなどケミカルメディエーター(化学伝達物質)の遊離・放出をおさえる作用です。こちらはアレルギーの初期段階で作用するので、発症前の予防的な効果が期待できます。
|
特徴 |
- 広く抗アレルギー薬に分類される「ヒスタミンH1拮抗薬(第2世代抗ヒスタミン薬)」です。抗ヒスタミン作用のほか、メディエーター遊離抑制作用もあります。抗ヒスタミン作用による即効性と、メディエーター遊離抑制作用による予防効果が期待できます。この系統としては開発が古く、抗アレルギー薬の草分け的な薬です。
- ステロイド薬ほど強力ではありませんが、副作用の心配はほとんどなく、長期の使用も安心です。このため、比較的軽い症状に向きます。重い結膜炎には、ステロイド点眼薬と併用し、症状がよくなったらステロイドを中止し、この点眼薬単独で様子を見るといった使い方もおこなわれます。
|
注意 |

- 【診察で】

- 点眼薬の使用でアレルギーを起こしたことのある人は医師に伝えておきましょう。
 【使用にあたり】
- 指示通りに点眼してください。通常、1回1滴を1日4回、朝、昼、夕、それと寝る前に点眼します。
- 1滴点眼したあと、ゆっくりと目を閉じ、まばたきをしないで しばらく目を閉じていてください。
- 特別な指示がなければ1滴で十分です。うまく命中しなかったときだけ、もう1滴さすようにすればよいでしょう。
- 点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意しましょう(薬液汚染防止のため)
- 点眼液が目の回りに付いたり、目からあふれ出たときは、すぐ拭き取るようにしてください(かぶれることがあります)。
- 他の点眼薬と併用しているときは、点眼間隔を5分以上あけてください。
- ソフトコンタクトレンズをしている場合は、レンズをはずして点眼し、15分以上経過してからつけてください。防腐剤のベンザルコニウムによるレンズの変色を防ぐためです。

- 【食生活】

- 人により原因は異なりますが、目のアレルギーは花粉やほこり、ダニやカビなどで生じます。原因がはっきりしたら、その原因物質(抗原)をできるだけ避け、また取り除くようにします。

- 【備考】

- 抗アレルギー薬は、初期治療として早期の使用がポイント。ひどくなってからだと、よく効きません。毎年、花粉症で悩まされる人は、早めに受診するとよいでしよう。
|
効能 |
アレルギー性結膜炎 |
用法 |
通常1回1〜2滴を1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
|
副作用 |
副作用はほとんどありません。点眼時の軽い刺激感は心配ないでしょう。点眼後、かえって充血やカユミがひどくなるようでしたら、早めに受診してください。
|