概説 |
目や耳、鼻の炎症をおさえるお薬です。 |
作用 | ステロイドの外用薬です。ステロイドには炎症をとる強い作用があります。炎症による腫れや赤みをおさえ、かゆみや痛みをやわらげます。炎症性の目の病気、たとえば結膜炎、角膜炎、ブドウ膜炎、手術後の炎症などに用いるほか、耳鼻科領域では外耳炎、中耳炎、アレルギー性鼻炎などに適応します。
ふつう、症状の強い重症例に用います。そのような場合には、欠かせない薬です。ただし、対症療法薬ですので、病気の原因そのものを治すことはできません。効果と副作用のバランスが考慮され、専門医により慎重に使用されます。 |
特徴 | ステロイドとしては作用が強いほうです。 |
注意 |

- 【診察で】

- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。

- 【注意する人】

- 眼科用は、角膜上皮はく離や角膜潰瘍のある場合、またウイルスや結核、真菌(カビ)などによる目の感染症には原則的に用いません。耳鼻科用もウイルス性疾患などには原則禁忌です。かえって、病状を悪化させるおそれがあるためです。とくに必要な場合は、注意深く用いなければなりません。糖尿病のある人も慎重に使用する必要があります。
 【使用にあたり(点眼)】
- 点眼方法や点眼回数は、説明書に従ってください。
- できるだけ仰向けの状態で点眼するようにします。1滴点眼したあと、ゆっくりと目を閉じ、まばたきをしないで1〜5分間そのまま閉じていてください。このとき、目頭を指で押さえておくと鼻や口に薬液が回らず苦い思いをしなくて済みますし、全身性の副作用の予防になります。
- 特別な指示がなければ1滴で十分です。うまく命中しなかったときだけ、もう1滴さすようにすればよいでしょう。
- 点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意しましょう(薬液汚染防止のため)
- 他の点眼薬と併用しているときは、点眼間隔を十分にあけてください。
- 点眼液が目の回りに付いたり、目からあふれ出たときは、すぐ拭き取るようにしてください(皮膚がかぶれることがあります)。
 【使用にあたり(点耳)】
- 点耳方法や用量は、説明書に従ってください。
- 冷蔵庫に保管しているときは、使用する前に2〜3分間手で容器を握り、体温程度に戻しておきましょう。冷たいまま点耳すると”めまい”を起こすことがあります。
 【使用にあたり(点鼻)】
- 点鼻方法や滴数・回数は、説明書に従ってください。
- 鼻水があるようでしたら、鼻をかんでおきます。なるべく仰向けに寝て、頭を後ろに傾け、鼻の中に1〜3滴たらしてください。鼻の奥まで届くように、そのままの姿勢で数秒間鼻で静かに呼吸して下さい。
 【備考】
- ブドウ膜炎や手術後には、まず高濃度の強いステロイドで炎症を抑え込みます。よくなってきたら、濃度の低い弱い製剤にきりかえ、その後、減量中止するようにします。
- 花粉症にも用いますが、春季カタルなどで症状が激しいときや、角膜の障害で視力障害のおそれのあるような場合に適応します。安易な長期使用は好ましくありません。
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効能 |

- 【眼科】

- 外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症)。

- 【耳鼻科】

- 外耳・中耳(耳管を含む)又は上気道の炎症性・アレルギー性疾患(外耳炎、中耳炎、アレルギー性鼻炎等)、術後処置。
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用法 |

- 【眼科】

- 通常、1日3〜4回、1回1〜2滴ずつ点眼する。なお、症状により適宜増減する。

- 【耳鼻科】

- 通常、1日1〜数回、適量を点耳、点鼻、耳浴、ネブライザー又はタンポンにて使用するか、又は患部に注入する。なお、症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
数日使う程度でしたら、副作用の心配はまずありません。けれど、長く続けていると、いろいろな副作用がでやすくなります。とくに高濃度製剤を眼科用として用いる場合、目の感染症、眼圧上昇、緑内障、白内障などに注意が必要です。目に異常を感じたら、早めに受診するようにしてください。また、長期に使用する場合は、定期的に眼圧測定などの検査を受けるようにしてください。
 【重い副作用(眼科用)】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 緑内障..目が痛い、充血、見えにくい、かすむ、光の回りに虹の輪、頭痛、吐き気。
- 角膜穿孔、目の感染症(角膜ヘルペス、角膜真菌症、緑膿菌感染症など)..見えにくい、目の痛み、異物感、充血、腫れ、涙が出る、目やに
- 白内障..かすんで見える、まぶしい、視力低下。
 【重い副作用(耳鼻科用)】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 感染症の誘発..腫れや痛みがかえって強くなる、膿が出る
 【その他】
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