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成分(一般名) エンタカポン
製品例 コムタン錠100mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 抗パーキンソン剤/末梢COMT阻害薬/末梢COMT阻害剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 パーキンソン病のお薬です。基本薬のレボドパの作用時間を延ばします。
作用

【働き】

パーキンソン病は、脳内のドパミンが不足し、手足がふるえたり体の動作が鈍くなる病気です。パーキンソン病の最も重要かつ基本的な薬はドパミン補充薬の“レボドパ”です。このレボドパの問題点として、長期服用により効き目が落ちる ということがあげられます。効いている時間が短くなり、次の服薬前に症状があらわれてしまうのです。専門的にウェアリング・オフ現象(wearing-off)、日本語で減衰効果などと呼ばれています。

このお薬は、そのようなウェアリング・オフ現象を改善します。つまり、レボドパが効いているオン時間を延ばし、薬効が切れるオフ時間を短くするのです。臨床試験でオン時間を1日平均1.4時間延ばすることが示されています。単独ではなく、レボドパ含有製剤でコントロール不十分な場合に追加併用するようにします。

【薬理】

レボドパを代謝する末梢のCOMT(カテコール-O-メチル基転移酵素)という酵素を選択的に阻害します。その結果、レボドパの血中半減期が延長、レボドパの脳内移行が高まり、作用持続時間がより長くなります。このような作用機序から、末梢COMT阻害薬と呼ばれています。

【臨床試験】

レボドパの効き目が悪くなりウェアリング・オフ現象があらわれている患者さんを対象に臨床試験がおこなわれています。その結果、この薬の追加によりレボドパの血中半減期が1.3倍延びることが分かりました。また、体がよく動く時間(ON時間)については、プラセボ群(にせ薬を飲んだ人達)の1日平均0.5時間延長に対し、この薬では1.4時間延長しました。一方、精神機能や行動、気分、動作、運動能力などを評価する試験では、プラセボ群との間に明らかな差は認められませんでした。
特徴末梢COMT阻害薬と呼ばれる新しいタイプのパーキンソン病治療薬です。長期レボドパ治療中におけるウェアリング・オフ現象の改善を目的に使用します。レボドパの作用時間を延ばす薬ですので、レボドパ製剤(レボドパ・DCI配合薬)と併用しなければ意味がありません。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 別の薬を使用している場合は、その薬を医師に教えてください。
  • ご家族をふくめ、注意事項や副作用について十分説明を受けてください。突発的睡眠や衝動制御障害についてもよく聞いておきましょう。

【注意する人】

悪性症候群または横紋筋融解症になったことのある人は使用できません。また、肝臓や胆のう・胆管に病気のある人は、薬の代謝排泄が遅れがちです。そのため、用量に注意するなど慎重に用いる必要があります。

  • 適さないケース..悪性症候群、横紋筋融解症(既往歴を含む)。
  • 注意が必要なケース..肝臓病、褐色細胞腫のある人。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

カテコールアミン系のアドレナリンやイソプレナリンの作用を増強させる可能性があります。吸入用とする場合を含め、併用する場合は血圧変動、心拍数増加、不整脈の発現に注意が必要です。

  • 飲み合わせに注意..アドレナリン(ボスミン)、イソプレナリン(プロタノール、アスプール、ストメリン、イソメニール等)、セレギリン(エフピー)、ワルファリン(ワーファリン)、鉄剤、イストラデフィリン(ノウリアスト)など。

【使用にあたり】
  • ふつう、1回1錠をレボドパ服用回数と合わせて同時服用します。服用回数は症状によって違います。併用するレボドパ製剤(レボドパ・DCI配合薬)は、レボドパ・パカルビドパ(ネオドパストン、メネシット)、またはレボドパ・ベンセラジド(イーシー・ドパール、ネオドパゾール、マドパー)です。
  • 急に飲むのをやめると、反動で具合が悪くなることがありますから、自分だけの判断で中止してはいけません。

【食生活】
  • 眠気やめまいを起こすことがあります。まれですが、前兆のない突発的な睡眠発作も報告されています。車の運転や高所作業など危険をともなう作業は避けてください。
  • 急に立ち上がると、強い立ちくらみを起こすおそれがあります。急な動きはしないで、ゆっくり動作するようにしましょう。とくに飲み始めに注意してください。
  • 併用薬のレボドパ製剤による衝動制御障害が報告されています。抑制がきかずギャンブルを繰り返す病的賭博、無駄な買物をしてしまう強迫性購買、暴飲暴食、性欲亢進など、自制心に欠ける行動が気になるときは医師と相談してください。
効能 レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善。
用法 本剤は単独では使用せず、必ずレボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩と併用する。通常、成人はエンタカポンとして1回100mgを経口服用する。なお、症状によりエンタカポンとして1回200mgを服用することができる。ただし、1日8回を超えないこと。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 併用薬のレボドパによるものを含め、副作用で一番多いのはジスキネジアまたはジスキネジーと呼ばれる不随意運動です。手足や首、顔などが意志とは関係なく勝手に動いて困ります。薬の効きすぎによることが多いのですが、逆に不足しても同様の症状が出ることがあります。気になるときは、医師とよく相談してください。

次に多いのは、吐き気や嘔吐、食欲不振、便秘、めまい、立ちくらみ、赤褐色の着色尿などです。吐き気とめまいは、続けているうちに軽くなることも多いようです。赤褐色の尿の色は薬の代謝物によるものなので心配いりませんが、もし筋肉痛を伴なう場合は医師に連絡してください。

そのほか、気分の変調や幻視・幻覚、妄想、不眠あるいは眠気などもみられます。幻視では、たとえば不快な虫が見えたりします。また、まれなケースですが、前兆のない突発的睡眠も報告されていますので注意が必要です。精神症状は高齢の人にでやすいです。ご家族や介護の方も十分に注意してください。

めったにありませんが、重い副作用として“悪性症候群”が知られています。とくに、レボドパの中止時や急激な減量時に要注意です。自分だけの判断で急に薬を止めてしまうのも非常に危険です。万一、高熱、ひどい汗、体のこわばり、意識の乱れなどが現れたら、直ちに医師に連絡してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 悪性症候群(Syndrome malin)..動かず黙り込む、体の硬直、飲み込めない、急激な体温上昇、発汗、頻脈、ふるえ、精神変調、意識障害。
  • 横紋筋融解症..手足のしびれ・けいれん、力が入らない、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
  • 突発的睡眠..前兆なく突然に眠ってしまう。
  • 幻覚、妄想、錯乱..本当ではない声や音が聞こえる、実際にいない虫や動物・人が見える、誤った思い込み、非現実な体験、興奮・混乱、取り乱す。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。

【その他】
  • 不随意運動..手足や首が勝手に動く、口周辺がひきつる、口をすぼめたりモグモグさせる、舌の異常運動、同じ動作を繰り返す。
  • 吐き気、食欲不振、便秘、口の乾き
  • 不眠、眠気、不安感、気分の落ち込み
  • 抑制がきかない(病的賭博、性欲亢進)
  • 立ちくらみ、血圧低下、動悸、貧血
  • 尿、汗、唾液、痰が赤褐色〜黒色に着色(薬の代謝物による)

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。